京都〈京料理 六盛〉おせち料理

京の岡崎・平安神宮西側、疏水の静かな流れをのぞむ地に店を構える「京料理 六盛」は、明治三十二年（一八九九）創業の老舗です。

初代は仕出しからはじまり、 「自分の目の届く範囲で拵えた料理だけを供す”」という矜持を受け継いできました。

昭和四十一年に考案された名物「手をけ弁当」は、木の手桶に四季の味を端正に詰める独創で評判を呼び、昭和五十二年には現在の岡崎・疏水北側へ移転。

窓外に桜並木を望む座敷で、出汁の妙味を核に据えた会席から晴れの日の宴まで、京料理の伝統と気品をわかりやすく伝え続けています。

分店を持たず、主人の目の行き届く台所で季節をこまやかにすくい上げる姿勢は創業以来一貫。文化施設が点在する界隈の風情と相まって、京都らしいもてなしの神髄を体感できる名店です。